ぽんの日記

京都に住む大学院生です。研究とは関係ないことも気ままに書いていきます

残業規制と受験競争

残業規制に反対する人は労働者にもいる。残業代が減るからと理由だけでなく、出世競争も絡んでいるからややこしい。

たとえば、すごく優秀なAさんとまあまあ優秀なBさんがいるとする。Aさんは1日8時間の労働で素晴らしい結果を出すけれど、Bさんは同じ成果を出すのに9時間働く必要がある。

この場合、会社はどちらを評価するだろうか。

時間当たりの成果で比べれば、Aさんである。しかしAさんがまったく残業をしないのに対し、Bさんが残業を厭わない人物だったらどうだろうか。

Aさんは1日8時間働くけれど、Bさんはサービス残業で2時間余分に働く。Bさんは合計10時間の労働となるからAさんより大きな成果を出すことになる。Bさんは自発的にサービス残業をしているだけだから、払う給料はAさんとBさんで変わらない。そうなるとBさんのほうを評価することになる。

Bさんは残業代を貰っているわけではない。しかし評価が高まれば査定に反映するかもしれないし、Aさんより先に昇進するかもしれない。だからサービス残業を行うことに合理性がある。

もし残業代を払っているなら事情は異なってくる。しかし1日当たりの成果で見た場合や突発的な仕事にも残業で対応してくれるという意味では、Bさんのほうが会社にとって都合がいい。そうなるとBさんには残業をしてでも働こうとするインセンティブが存在することになる。

ただし、以上の思考実験はAさんとBさんを比較した場合の話だ。もしBさんと同じくらいの能力のCさんがいて、しかしBさんのように自由に残業ができないとしよう。介護や子育てなど家庭の事情があって、CさんはBさんのように長く働くことはできない。だが同じ労働時間であればBさんと同様の成果が出せる。

さてこの場合はBさんとCさんの公平性をどのように考えたら良いだろうか。長く働きたい人は長く働けばいい、という問題では済まない。働きたくても働けない人との公平の問題が生じる。

この辺りの話になってくると、究極的には競争のあり方そのものを変えていかなければならないかと思う。

それで標記の話に戻ると、同様のことが受験競争にも当てはまると思う。受験生に対して勉強時間を制限するというのはとんでもない話で、たぶん賛同する人は少ない。ただ、子どもの貧困で問題になっているのは、やはり勉強したくてもできない子がいるということではなかろうか。そして勉強であれば、学習環境を平等に整えることが公平性につながるのだろう。一方で労働時間の場合は、やはり労働時間を規制していくことが王道なのだと思う。