ぽんの日記

京都に住む大学院生です。研究とは関係ないことも気ままに書いていきます

産業医の数

大室正志『産業医が見る過労自殺企業の内側』に以下の記述がありました。

この頃、大企業を中心に企業内診療所を開設することが流行しました。バブル当時、企業内診療所は軽井沢や伊豆の保養所などと同じく、大企業のステータスシンボルと考えられていたふしがあります。

この時代は現在よりもメンタル不調の問題は顕在化しておらず、製造業以外では検診の事後措置や福利厚生としての診療所業務が産業医の主な仕事と考えられるようになりました。夜勤もなく企業内で診療所を与えられる大企業の産業医は、近所の大病院を定年退職した医師の「天下りポスト」として、また産休明けの女性医師などにも人気の職になりました。(p.24-5)

 

医師は激務のイメージが強いですが、産業医は比較的ゆるやかであるということでしょう。

 

厚生労働省の『医師・歯科医師・薬剤師調査』(通称、三師調査)では、2002年以降産業医業務の従事者数が調査されています。

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この数字は主たる業務(=もっとも従事している時間が長い業務)が産業医である医師の人数です。産業医のほとんどは臨床医が兼務しているそうですので、主たる業務が産業医だという医師の人数はまだまだ少ないですね。それでも年々増加傾向にあることは読み取れます。

 

現在、女性医師の割合は3割ほどとなっています。女性医師そのものの数が少ないので(医師数全体に占める女性医師の割合は2割ほど)、産業医に就く女性医師の数は比較的多いと言えます。

40代前半以下だと女性の割合がさらに高くなって、4割ほどを占めます。

 

産業医を兼務している人がどれくらいいるかも知りたかったですが、そのデータは三師調査にはありません。事業場規模が50人以上なら1人、3001人以上なら2人の産業医を選任する義務があるので、経済センサスなどから考えれば16万人くらい産業医の数がいてもおかしくはありません。複数の会社を兼務する産業医が多いはずですので、実際の人数はもっとぐっと少ないでしょうが。

 

 

産業医が見る過労自殺企業の内側 (集英社新書)

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