11月28日にドワンゴの新サービス発表会が大炎上しました。
よく分からない新サービスの一方で、ユーザーが求めている速度や画質という基本性能の改善がおざなりになっていたためでした。
それを受けて、12月12日には意見交換会が開催。アンケートフォームやツイッターでユーザーの声を拾っていくようです。
こういう場があることは凄く良いことだと思います。民主的というのとはちょっと違うかもしれませんが、ユーザーの要望が直接届けられる形でサービスが改善していくというのは、興味深い展開になる気がします。
さて、前述の画質等の問題解決のためには、設備投資してサーバーを強化するとか、エンジニアを増やすとかが必要になってきます。
そのなかで、リアルイベントとかでお金を使ってるせいでそっちにお金が回ってないんじゃないかという意見を時々目にします。
ちょっと気になったので、有価証券報告書で簡単に調べてみました。
まずこのグラフが、webサービス部門の売上高です。ドワンゴとKADOKAWAは2014年10月に経営統合しています。上記は動画関連のセグメントだけを引っ張ってきたものです。2015年の数字が低いのは、決算月が変わった影響です。
モバイル事業は「ドワンゴジェイピー」の音楽配信事業などです。ニコ動・ニコ生等はポータル事業に含まれます。超会議などのイベントはライブ事業です。
ポータル事業の売上高はプレミアム会員費が主なので、会員数の動きと同じような動きを示しています。
2017年の決算からは「当社は、グループの事業の柱が明確になったことに伴い」報告セグメントを変更したため、モバイル、ライブ、ポータル事業はwebサービス事業に一括され、内訳が分かりません。ただ、傾向からはプレミアム会員費が収入の柱となっているのは変わらないでしょう。
ここまで見てきたのは売上高の推移です。セグメントごとの営業利益でみると少し様相が異なります。
営業利益で見ると、モバイル事業の貢献もまだまだ大きいように見えます。
ライブ事業は赤字ですが、このせいで営業利益が吹っ飛ぶというほどの数字ではありません。
ポータル事業は2010年の決算から黒字化しています。それ以前の年の赤字規模は今のライブ事業の赤字より大きいですね。目が出るまでの初期投資の時期ということになるのでしょう。
まあ、金額の規模という意味では、Abemaは年200億の赤字を覚悟で投資しているようですから、それと比べたら規模が小さいように思えます。それだけの規模で投資しようと思ったら、イベントをやめるどころではなくて、もっと大胆な投資の決断が必要となるでしょう。