ぽんの日記

京都に住む大学院生です。twitter:のゆたの(@noyutano) https://twitter.com/noyutano

最低賃金の監督

労働基準監督官は労働基準法だけでなく、最低賃金法も管轄しています。最低賃金違反を取り締まるのも監督官の仕事なのですね。

 

近年だと、毎年1~3月に「最低賃金の履行確保を主眼とする監督(最賃監督)」が実施され、その監督結果は最低賃金審議会にも参考資料のひとつとして提出されています。

 

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このグラフは監督官による最賃監督の件数と、最賃監督での最賃法違反の違反率の推移を見たものです。2007,08年が飛び出てますが、これは全国一斉監督が実施されたことによるものだと思います。このころ最低賃金法が改正されていますので、その一環ということになるのでしょう。

より時間的に遡れば、現在よりも80年代後半のほうが件数が多いのも興味深いところです。最近でこそ非正規雇用等のワーキングプアが取り上げられたり、生活保護水準とのバランスが問題になったりしていますが、監督は80年代のほうが数が多いということです。

 

違反率も低下傾向だったのが2004年ごろから反転しています。景気の動向とは別のトレンドがあるように見受けられますが、詳しくは分かりません。監督対象の選定方法等が変わったのかもしれません。

 

違反があった事業場には、同時に違法の認識状況も尋ねているようです。

2000年代に入ってから「適用される最賃額を知っている」ケースが徐々に増えたといったところでしょうか。依然、最賃が適用されることすら知らなかったという事業主が多いことも少々驚きですが……

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