ぽんの日記

京都に住む大学院生です。研究とは関係ないことも気ままに書いていきます。twitter:のゆたの(@noyutano) https://twitter.com/noyutano

京アニの求人情報が大幅に詳しくなった件

京アニの求人情報の前に、まず職業安定法が改正され、今年から施行されている話をします。職業安定法改正については、上西充子教授が分かりやすく記事にまとめています。

 

news.yahoo.co.jp

 

本稿の内容と関係するのは、労働条件の明示が強化されたところ。

裁量労働制や固定残業代を適用している場合には、そのことを明示することになりました。

この改正は今年の1月1日からの施行となります。そのため今年は、昨年就活した人よりも詳しく求人情報を知ることができるというわけですね。

 

で、標題の京アニの件です。

京アニ専門職総合職で分けて待遇を記載しています。昨年度の分の求人情報は、たぶん更新されてしまって見れなくなっているので、この記事の最後に画像を貼っておきます。 

採用情報 | 京都アニメーションホームページ

 

これまでの求人情報と今年の情報で、1番大きく変わったのは給与のところです。

まず、これまでの求人情報では「給与:当社規定による」としか記載されていませんでした。

 

それが新しく以下のようになりました。(画像は総合職)

 

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 スゴイ。大幅に情報の公開度が上がっている

今まで給与の額も公開されてなかったのに、ちゃんと額を明示したうえで、基本給と超過勤務手当を分けて記載している……そしてボーナス6か月分なんだ……

 

「みなし超過手当」は記載から察するに、いわゆる固定残業代というやつですね。ブラック企業とかで悪用する例が尽きないので問題視され、職業安定法の改正で新たに明示義務が課されました。

・・・・・・ということは職安法改正を意識して求人情報を改めたのでしょうかね。

 

なお、固定残業代が適法とされるためには、①基本給の額、②固定残業代の金額(それが何時間分の残業代に相当するか計算できる)、③固定残業分の残業時間を超えた場合は別途残業代を支払う旨の規定、を満たす必要があります。

京アニの求人の場合は①と③は満たしているようです。

 

②は記載がないので、ざっくりと計算してみます。

休日は「土・日、年末年始」とあるので、仮に年間110日休みだとすると

1年の所定労働日数は 365-110=255日。

年間所定労働時間は 255×8=2040時間。

よって1カ月の平均所定労働時間は 2040÷12=170時間。

時間当たり基本給は 18.6万円÷170時間=約1094円。

固定残業代は3万円なので 3万円÷(1094円×1.25)=23.43…時間

 

ということで毎月24時間程度分の固定残業代ということですね。

 

ちなみに専門職(作画や背景などの職種)の初任給は下の通りです。

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 専門職は最初は契約社員からとなっていて、初任給は時給1,000円です。初任給で時給というのは珍しい気がしますが。業界的には請負が多いでしょうし。

 

ちなみに上記の方法で正社員になった場合の時間当たりの基本給を計算すると、約1,012円になりました(17.2万円÷170時間)。正社員になると時給が約12円アップするということです。

 

 

こういう計算ができるようになったのも、求人情報の透明性が大幅に向上したおかげですね。ほかのアニメ会社もいくつか見てみましたが、あまり詳しく書いていなかったりしますから。昨年はジブリの新人スタッフの募集で「月額20万以上」という記載が海外から驚かれたりしたそうですが、そもそも求人情報が外から見えるようになるということがとても大切なことです。

 

↓参考)昨年の京アニの募集要項

 

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