ぽんの日記

京都に住む大学院生です。twitter:のゆたの(@noyutano) https://twitter.com/noyutano

厚労省に情報公開請求をしてみた話

情報開示請求という手続きがありますよね。行政機関が保有している文書などの公開を求めるやつ。

各省庁に対する情報開示請求はオンライン上で行うことも可能なんですね。私は地方自治体に対しては、窓口まで直接行って請求したことはあるのですけれど、電子政府の総合窓口e-Gov イーガブでやったことはありませんでした*1

 

www.e-gov.go.jp

私が関心を持っている労働行政に関しては、今般の国会で「労働時間等総合実態調査」のデータのいい加減さが話題となっているところでしたので、情報開示請求をしてみることにしました。

 2018年3月16日申請

厚労省の場合は情報公開|厚生労働省のページの下部にある電子申請(開示請求)から手続きが可能です。

申請には氏名、住所、連絡先等の入力が必要になります。

 

「労働時間等総合実態調査」は調査的監督として実施されたものです。

今回は「厚生労働省から都道府県労働局・労働基準監督署に対して出された一斉監督および調査的監督の指示・実施要領、その復命書および監督結果の概要に関する書類」という風に請求してみました。

文書の存在が具体的に特定できている場合には、ピンポイントで請求すればいいのでしょうけど、普通はどんな文書があるかも不明であることが多いと思います。なのである程度漠然とした請求の仕方になってしまうのはしょうがないでしょう。

 

開示の方法は「事務所における開示」「写しの送付」「オンラインによる開示」から選べます。

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請求を終えると、到達番号、問合せ番号が知らされますのでメモしておきます。

手続名 【行政文書開示請求】開示請求書の提出(厚生労働省)/電子申請
到達番号 201803161045398050
問合せ番号 D9maQ9CYrjlEVShE

 

3月28日18:30頃 労働基準局労働条件政策課より電話

2週間ほどして電話がかかってきました。請求したのが金曜でしたので、土日祝日を挟んでなければもっと早かったかもしれません。

 

電話の内容ですが、監督結果の概要についてはweb上ですでに公開しているから、この分については行政サービスとしてURLをお伝えするという形で良いか、ということを確認するものでした。

「行政サービスとして」というのは、情報公開法に基づく開示請求ではなく、情報提供として教えるということです。開示請求のほうが手続きが面倒になりますし、印紙代等もかかるので、開示請求者にとってもそのほうが便利だろうということです。

そこで監督結果の概要については、メールでURLを送ってもらうよう伝えました。

 

あと、請求の際に文書の特定の仕方が曖昧だと、電話でどんな文書の公開を求めているのか詳しく訊かれることが多いと思います。

ただ、今回はとくにそのようなことはありませんでした。請求内容では単に「一斉監督および調査的監督」としただけなので、特定の監督や年次を指定はしていません。なのでもっといろいろ訊かれるかと思ったのですが……

 

3月30日19時 メール受領

URLについてのメールが届きました。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/shiryo2-1_1.pdf

 

労働政策審議会で参考資料として提出されたものですね。

メールでお知らせいただいた資料はこれだけです。労政審で別の日に出された資料についての存在は特に教えてもらえませんでしたし、国会答弁で使われた「裁量労働制のほうが一般労働者より労働時間が短いというデータ」も示されません。この辺は開示請求の仕方が悪かったとも言えますが。

 

3月31日15時 手数料等納付の通知メール

開示請求の手数料を納付するようお知らせするメールが届きました。料金は400円でした。

手数料についても電子納付が可能です。ネットバンキングを利用して当日に支払いを終えました。

 

4月13日13:40 開示決定メール

手数料を納付してから2週間くらいですね。開示決定と不開示決定の両方を伝えるメールが届きました。

実施通達については開示決定されましたが、監督復命書については「保有していない」ということで不開示です。

前者についても「監督指導事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」がある部分については黒塗りにされるということです。

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開示決定がなされた文書については、電子申請システムで改めて開示についての申出をを行います。

 

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ところがどうもシステム上に不具合があったようです。

申出書の入力画面において、受付日の日付を平成30年と入力したいのですが、受け付けてくれません。なぜか平成29年までしか入力できないようになっているのです。

 

このことをメールフォームで問い合わせると、同日中に以下の返信。

平成30年が選択できない件について、ご迷惑をおかけしており申し訳ありません。
大変お手数ですが、「平成29年」で申請いただき、申請情報が厚生労働省
到達後、こちらで修正するといった対応を取りたいと思います。

ご面倒おかけして申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

 

ということで「平成29年」として電子申請しました。

【行政文書開示請求】開示の実施の方法等の申出(厚生労働省)/電子申請
到達番号 201804131848325310
問合せ番号 shZPhxCoUWlJ8kfp 

 

4月16日15:10 手数料等納付の通知メール

納付金額の通知がありました。金額は560円です。納付期限は4月30日。

やはり電子納付が可能ですので、すぐに入金しました。

 

5月21日14:30ごろ 電話

1か月以上経って労働条件政策課より電話がありました。(14:30ごろに電話がありましたが、不在着信となったため17:40頃に再度電話)

 

何かというと、容量オーバーで開示文書を送れない、というもの。

実は、先ほどの開示申出の際に、開示方法として「ウ オンラインによる開示の実施を希望する」を選択していました。オンラインでできるのならそのほうが便利です。ただし、この方法による場合は1メガバイト以内という制限が付きます。

ただ、開示決定通知の際には、データ容量の説明は一切ありませんでした。電子申請システムではオンラインの方法も選べるようになっていたので、そちらを選んだだけです。

 

電話がかかってくるまで1か月かかったのは確認が遅れていたためとのことでした。

結局、開示方法を紙媒体での郵送に変更しました。通常ですと文書の送付の場合は、郵送料も納付する必要があるとのことです。今回はシステム上の不備と確認の遅れによる先方の不手際ということで、追納なしということになりました。

 

5月23日 文書到着

最初の申請から2カ月以上経ちましたが、ようやく開示文書が届きます。

 

文書自体はすでに国会や野党のヒアリングで明らかになっているものですので、新しい発見があるわけではありません。

そもそも論ですが、「労働時間等に関する調査的監督について」という通達は、すでに情報公開推進局というページで公開されています。このホームページは、全国安全センターやその他の団体、個人などが開示請求で公開された文書をアップしてくれているものです。

http://www.joshrc.org/~open/files2012/20130308-002.pdf

 

当時開示された文書と比べると、黒塗り範囲が少なくはなっています。当時は「3 実施時期」「4 調査事項」「5 対象事業場」「6 実施に当たって留意すべき事項」が軒並み黒塗りになっていますからね。

*1:正確に言うと、途中で申請を取り下げることが多かったので、最後まで手続きを終えたことがありませんでした