ぽんの日記

京都に住む大学院生です。twitter:のゆたの(@noyutano) https://twitter.com/noyutano

「平成は戦争がなかった」

……という発言を時に耳にする。

「え?」と思ってしまうし、自分はとてもそのように言う気にはなれない。

 

イラク戦争は小学生のときだった。

小学生だったから、冷戦も湾岸戦争も知らない。イラクという国のことも全然知らなかった。イラク戦争についてもそれほど関心を持ったわけではなく、あれこれ考えたわけでもない。ただ、ニュースで流れた「戦争」というワードを聞いて驚いたのは覚えている。

 

戦争って、世界から無くなったんじゃなかったんだ。

 

今考えると素朴な感想。しかし第二次世界大戦が終わって世界は平和になったのだと単純に思っていたし、戦後何十年という数え方もまさにそういう考え方だろう。戦争とは全く過去のものだと思っていた子どもにとって、テレビで〈戦争〉が現在進行形のものとして存在しているのは、ひとつの認識転換だったろう。

 

もっとも、遠い国の〈戦争〉で、普段の日常生活が変わることも別になかった。それもまた〈戦争〉の見方を変えるものだった。

戦争ってこんなもんなんだなってこと。

戦争が起きたら、とにかく大変なことになるのだと思っていた。生活は一変して、凄まじい、悲惨な、そういう世界が訪れてしまうのだろうと。戦争ってそういうイメージだった。

でも結局、テレビのなかで戦争が起きていても、日常は日常としてそのまま続いた。戦争はもっと絶対悪な感じで教えられてきた気がするけど、実際に起きてみたら、それとはちょっと違うような反応だったように思う。

 

遠い国、一部の国で起きている限り、そう言えてしまうのだ。一国主義的に考えれば、日本は平和だったと言えてしまうのだ。

でも私は、それをあまり「平和」とは表現したいと思えない。