江上剛『ザ・ブラックカンパニー』(光文社文庫)を読みました。
単行本は2015年に出ているのですね。文庫化したということで、この機会に読ませてもらいました。文庫版は労働NPOの代表である今野晴貴氏の解説がついています。
タイトルの通り、本書はブラック企業をテーマにしています。
舞台はハンバーガーチェーン店。そこで働く人たちが、自分たちの職場を改善していこうとする物語です。
細かくマニュアルに従って働く様子や、生活を会社に捧げる様はリアルに感じます。会社との「闘い」方も、労働運動や労働組合のようなガチガチな感じじゃない。葛藤、板挟みというか、自分を納得させようという心理がすごく見えて、普通の人の悩みという気がします。
そういう箇所が共感して読みやすくなっているのかなと思います。