健康診断違反率の推移という記事を書いたので、そのついでということで。
定期健康診断結果の有所見率の推移をグラフ化してみました。
その前にまず、定期健康診断実施事業場数の推移を見ます。
延べ数は近年増加傾向にあり、とくに1990年代以降「年2回以上」実施している事業場の増加が大きいことが分かります。
続いて業種別に有所見率の推移を見るとこんな感じ。
全部ごっちゃにすると見づらいですが。高いのは鉱業、農林業、清掃と畜業。逆に低いのは保健衛生業です。
平成に変わるあたりに断絶があります。1989年10月に定期健康診断の項目が変更されました。貧血検査等が追加されるとともに、海外派遣労働者の健康診断に関する規定も新設されました。
1999年1月にも定期健康診断項目が改正され、血糖検査が追加されています。
有所見率の上昇については、牧野[2011]が東京都産業保健健康診断機関連絡協議会の年齢別有所見率のデータを用いて、高齢化との関連性を考察しています。胸部X線検査、心電図検査、血圧測定については高齢化の影響を指摘していますが、有所見率の上昇自体は高齢化の影響はそれほど大きくないとしています*1。