ぽんの日記

京都に住む大学院生です。twitter:のゆたの(@noyutano) https://twitter.com/noyutano

是正勧告書・指導票

国立大学法人に対しては情報開示請求を行うことができます(独立行政法人等情報公開法)。

それで、某国立大学法人が労基署から受けた是正勧告書・指導票を今回開示請求してみたのでした。

 

量が多かったため、「開示決定等の期限の延長について(通知)」が届きました*1。延長の理由は

 本開示請求に係る法人文書の特定に時間を要したことに加え、引き続き具体的検討に時間を要しているため、開示決定等の期限を30日間延長することとした。

 

通常よりやや時間はかかったと言えますが、文書はほぼ黒塗りなしで開示されました。

是正勧告書の保存期間は3年とされていると思いますが、法人化以降の文書はすべて残っていたようです。

 

 

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安全衛生関係がやはり多かったですね。

賃金・労働時間関係で、指導票→是正勧告書のパターンを取り上げてみます。

 

例えば平成17年9月14日付けの指導票で、労働時間の適正把握についての指導がありました。

1  貴事業場においては、 労働時間の把握を自己申告制により行っているところですが、同制度を運用するにあたっては「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」 に留意し、

 (3) 使用者が自ら現認することにより確認し、記録すること

 (4) タイムカード、I cカード等の客観的な記録を基礎として確認し、 記録すること

等の方法により労働時問を把握すること。

 なお、上記( 1 ) ( 2 )にある措置を講じることが出来ない場合は、同基準の2(3)の措置を講じること。

2 各部署の労働者から聴取調査をした結果、 貴事業場においては、 一部の部署において実際の時間外労時間数と超過勤務等命令簿との間に相違が認められたところである。つきましては、平成1 7年 6月1日~同年8月3 1 日までの期間における時間外労働ついて聴取調査等により実態調査し、 そ結果を報告すること。

 

報告期限は10月31日までとなっています。報告がいつなされたのかは開示された文書からは分からないのですが、是正勧告書は10月31日付で出されたのでした。

労基法37条の違反です。

事務職員及び技術職員に時間外労働を行わせたにもかかわらず、同時問について通常の賃金の2割5分以上の率で計算した時間外労働にかかる割増賃金を支払っていないこと。

(上記については平成1 7年 6 月分に遡り、 不足していた3 2 , 5 2 3 , 1 2 5円 ( 4 8 1名分) を支払うこと)

 

 

平成29年5月26日にも、やはり労働時間の申告制について指導票が交付されています。

1.  一部の労働者について、申告した終業時刻と就業管理システム上の終業打刻時刻との 間に、大幅な乖離が生じているのに、貴事業場で定めた乖離理由の確認なく、勤務時間を承認している状況が認められる。

 ついては、乖離理由を確認の上、実際の労働時間と合致しているか否かについて、調査すること。

2.  一部の労働者について、就業管理システムの終業打刻をしていない日が認められるため、終業打刻を徹底させること。

 なお、36協定で定めた協定時間を超えないように過少申告しているおそれが認められるため、当該労働日の労働時間(申告した終業時刻)が正しいか否かについて、パソコンの使用時問の記録、事務所の入退出記録などを基に実態調査を行うこと。

 

こちらの報告期限は6月末までとなっていました。

是正勧告書は7月24日付けで出されています。

 労働者【黒塗り】他10名に対して、時間外労働及び深夜労働の一部について割増賃金を支給していないこと。

今度は具体的に未払賃金額までは計算していませんね。

 

 

*1:ちなみに開示請求したのが平成31年1月7日、2月5日付で延長の通知。延長後の期限は3月8日でしたが、実際の開示決定は2月25日付け。是正報告書も合わせて請求したため、最終的に4千円くらいかかった