データ出所は「業務上疾病調」です。
以前ブログでも触れたことがありました。
おそらく死傷病報告がもとになっているものとして、業務上疾病発生状況等調査があります。ところがこの調査ですが、出所の部分が「資料:業務上疾病調」としか書かれていません。「どうやって調べたんだよ」とツッコミを入れたくて仕方ないほどですが、そういった説明がまるでないのです。
統計について説明されているページ「業務上疾病発生状況:統計の概要」という所を読んでも、書かれているのは統計の目的のみ。「本統計は、業務上疾病の発生状況を把握して、労働衛生行政の基礎資料とすることを目的とする。」と書かれているだけです。
「基礎資料」と言いながら、その資料の作成方法が記載されていないのは大いに問題含みだと思うのですが……。
前掲『安全センター情報』によれば
この公表件数[=業務上疾病発生状況:引用者注]がどのように算定されているかも、闇の中であった。以前、情報公開法に基づく開示請求も行って厚生労働省に説明を求めたところ、「公表件数」は、労働者死傷病報告をそのまま集計しているのではなく、例えば、「非災害性」(第3号)として届け出られた「腰痛」を、事情を確認したうえで「災害性」=「負傷による腰痛」(第1号)に振り替え、また、「じん肺及びその合併症」については、届出件数ではなく労災保険給付データを使っている等との説明。しかし、処理方法を示した文書は存在していないという回答であった。と述べています*6。
以前の記事は業種別などの内訳は載せてなかったので、今回はそちらを。
データの性格上、休業4日以上の数字になります。
疾病分類は労基則第35条をもとにしたものです。
1978年にカテゴリーが大きく改正されているので、グラフは1979年以降のものとなっています。
「負傷に起因する疾病」の大部分は腰痛ですので、そこだけ取り出してみます。なお、比較として並べた(9)の非災害性腰痛は、軸が桁違いなので注意。
(1)の負傷以外の業務上疾病は以下のとおり。「(5)異常温度条件による疾病」で近年多くを占めるのは熱中症です。