ぽんの日記

京都に住む大学院生です。twitter:のゆたの(@noyutano) https://twitter.com/noyutano

平成の間に変わった家計負担

税金や社会保険料などをまとめて「非消費支出」と呼びます。普通の消費支出と違って家計で自由にやりくりができません。

この非消費支出がどういう風に変わってるのだろうかというのがちょっと気になって、ちょっと調べると「全国消費実態調査」で把握ができるようなので簡単にグラフを作ってみようかなと。

 

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1989年、1999年、2014年を取って、世代ごとに並べてみました。

実収入から非消費支出を引いたものが可処分所得、すなわち手取り収入となります。グラフでは実収入は左軸、非消費支出は右軸です。

 

実収入については1989年から99年にかけて増加しますが、その後2014年に向けては減少します。

一方、非消費支出は89年から99年に増加するのは同じですが、それから減少していないように見えます。

 

この間のそれぞれの変化率を図表化してみると、

 

1989→1999年 増加率

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1989年から99年にかけての実収入と非消費支出の増加率はこんな感じです。

60代を除くと、どの世代も収入は2割ほど増えています。しかしながら非消費支出はそれ以上の増加率です。

つまり収入は増えたけれど、それ以上に税・社会保障の負担が増えたというのがこの時期の変化となります。

 

次に99年から2014年にかけての変化を見たのが下のグラフです。

 

1999→2014

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先ほどのグラフと比べた特徴は世代間で傾向が異なっているところでしょう。

どの世代も実収入は減少していますが、とりわけ壮年層で収入の減少率が高い

若年層は収入の落ち込み自体はそれほどでもない。しかし収入が減っているにもかかわらず、税・社会保障の負担は増えている

 

今の若年層は、収入が上がる見込みは少なくなっているのに、負担は増えていくという、そんな状況にあると言えます。

過労死対策の特別チーム?

こんな報道がありました。

 

headlines.yahoo.co.jp

厚生労働省は2018年度から、違法な長時間労働の監督や労働法制の啓発などを行う「特別チーム」を全国のすべての労働基準監督署に新設する。政府は今国会で、時間外労働の罰則付き上限規制を柱とする働き方改革関連法案の成立を目指しており、現場での監督指導を強化して長時間労働の是正策の実効性を高めるねらいがある。

 

 特別チームの新設に伴う職員の増員はせず、いまの人員を再編成してチームを組織する。チームの職員を専従とするか、他の業務との兼務にするかは今後詰めるという。

 

気になったのは職員の増員をせず、すべての労働基準監督署に新設するということ。

どうも無理筋な気がしてならない。

 

監督署は全国に341署(別に支署が4署)あります。労働局に作るというならともかく、すべての監督署に設置できるのか。なお、すでに47の労働局には「過重労働特別監督監理官」なるポストが設置されています。

 

すべての署に設置するというのがどういう意味なのかイメージしてみます。以下の資料は取り急ぎ手元にあるものを用いたものですが、参考とするには問題ないでしょう。

 

この表は三重県の労働基準局(当時)と監督署の職員定数を示しています。三重労働基準局・三重婦人少年室が出した『50年のあゆみ』という記念誌に掲載されているものです。

50年誌なので1996年度の定員までしか載っていないですが、以前の記事で書いたようにその後職員数が大きく増加したというのは考えにくいでしょう。

 

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労働基準監督署の定員を見ると、最少の熊野署なんかは5人となっています。これは署長を除くと監督官が1~2人しかいないことになります。

 

あるいは別の県を見てみます。

下の2つの表は『香川労働基準局40年の歩み』から作成したものです。この資料には職員の定員だけでなく、監督官の定員も載っていました。

 

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見ると、やはり観音寺署、大内署などは監督官の定員が3人しかいません。

 

過去記事で書いたように、労働基準監督署に配属されている監督官は3,200人ほどです。そして監督署の数は341署です。ということは平均すると1つの監督署には10人未満の監督官しかいない計算です。上の例のように、小規模署であれば数人というところもあるでしょう。

 

「特別チーム」を設置するということは、複数人で編成されるのだと思います。1人だったら「チーム」とは呼ばないでしょうから。数人しかいない監督署があるなかで、職員の増員をせず、すべての労働基準監督署に新設するということが可能なのか。

わざわざ「特別チーム」を全ての署につくることに特段のメリットがあるのでしょうか。

 

 

追記)

厚労省のHPで発表がなされたようです。

www.mhlw.go.jp

 4月1日以降設置されることになるようです。「労働時間相談・支援班」と「調査・指導班」という2つの班を作るそうです。

「労働時間相談」というのはこれまでの労働相談窓口のどういう点が違うのでしょう?労働時間問題に特化するということ?

 

 

監督官数の推移 補遺

以前のエントリーで書き残したことを書く。

 

kynari.hatenablog.com

 

定員外職員の定員化

労働基準行政職員の定員推移を見た際に、1950年代初頭に大きな定員削減が行われていることを見た。その後60年代の頭にかけて再び定員が増えるが、現場の人員自体がこのように変動していたわけではない。この部分の経緯を少しだけ書いておきたいように思う。

 

なお、各省庁全体の経緯に関しては『行政管理庁二十五年史』に「定員外職員の定員化」としてまとめられている(p.160-166)。人員整理が実行されたにもかかわらず、とくに行政の効率化を図る改革はなされなかったため、各省庁は定員外の職員として要員を確保せざるをえなかった。1957年度には定員外の常勤労務者が約6万人、常勤的非常勤職員が約3.3万人いたという。正規職員との待遇格差が問題視されたため、最終的に1961年に定員外職員がすべて定員化された。

 

その動向を労働基準監督署の職員について見たのが下のグラフである。予算別に定員数を示した。これは労働省都道府県労働基準局の人数を含んでいない。「定員外」については人数が把握できるもののみである。したがって54年以前の「定員外」職員の実態は不明である。

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出所)『労働基準監督年報』各年

 

1955年から定員外職員の人数が把握できるのは、前述した定員化の要求がこの年以降活発化するからであろう。

定員外職員は人数的には特別会計に吸収される形で定員化が図られている。この時期の定員数は、他の時期に比して大きな変動が見られた。だが定員外職員まで含めて考えれば、実態としてはそれほど人数の大きな変化が生じていたわけではないことが窺える。もちろん、定員が正規に確保されていないことやその待遇について問題がないわけではない。

 

定員と現員

『労働基準監督年報』にはこれ以上の情報は掲載されていない。そこで範囲は限定されるが、都道府県レベルの資料にも当たって、より詳しく見てみることにする。

 

図は東京労働基準局(当時)管内についての定員と現員の推移である。これは『東京労働基準局40年の歩み』から作成したものである。この資料の良い点は定員数だけでなく、現員数の情報まで得られる点である。類似の資料としては『東京労働基準局五十年の歩み』や『業務概要』もあったが、残念ながらそちらには定員・現員数について記載されていない。また他の県の資料もいくつか調べてみたが、現員数まで載っているものは他にはなかった。

なお、グラフの「一般」「特別」というのは、以前書いたように一般会計と特別会計のそれぞれの定員を表す。

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さてグラフを確認すると、定員と現員の相違が目に留まる。発足間もない1947年、48年は定員が未充足の状態であり、その後定員が削減されるも現員数は逆に増加している。その際、一般会計が減らされ、特別会計分が増員されている様子も見て取れる。

全体の職員数は50年代には定員超過の状態にあった。これが前述した定員外職員であろう。定員外職員の定員化要求が認められていき、60年代に入ってから定員と現員の乖離幅が少なくなった。

 

現在はどうなっているか

むしろ気になるのは現在の様子である。非常勤職員など、正規の定員以外の人員がどの程度存在するのだろうか。最近では労働基準監督業務を一部民間委託させる構想やOBの再雇用の動きが報じられた。外部委託も増えていることが予想される。

残念ながら『東京労働基準局40年の歩み』は1987年までしか把握できないし、非常勤や外部委託など、定員とは別枠で措置される部分は分からない。『労働基準監督年報』でも定員以外の情報は載っていない。

 

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出所)全労働省労働組合[1985]『 基準行政事務官問題検討委員会報告』

 

上の表は1984年のものとなるが、労働基準行政関係で予算計上されている各種相談員の数を示している。当時の基準行政職員は全体で8,606人だから、相談員の数は相当の多さだと言える。職員の定員増員には応じずに、こうした相談員を増やすことで対応してきたということだろう。

 

ただ2010年の省内事業仕分けでは「過重労働防止対策アドバイザー」47人(常勤換算19人)をすべて廃止している。その理由としては「アドバイザーは非常勤で相談などに応じているわけですけれども、むしろ、より重要であるので本来の監督官が、この過重労働対策について仕事をやっていくことに変えるために、アドバイザーを廃止する」と述べられている。昨年の民間委託とは逆の議論を行っているのが一興か。

この年は全国社会保険労務士会連合会中央労働災害防止協会、全国労働基準関係団体連合会等に6.2億円分の委託費を払っている。相談員や非常勤職を増やすより、民間委託にシフトしているのかもしれない。もっとも事業仕分けによってやはり削減されているが。

 

 

税務職員の推移

税務署の職員数は分からないかと思っていたら、税務大学校研究部編『税務署の創設と税務行政の100年』に表が掲載してあった。それ以降は国税庁事務年報に記載されている。とりあえずグラフ化してみた。

 

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注)昭和23年度以前は、局(税務管理局、税務監察局および財務局)及び税務署の定員の合計を示し、主税局の定員、傭人及施設職員を含まない

 

税は地方税もあるけれど、これは国税庁の定員。

終戦前後の変化が一番大きいけれど、90年前後の時期にも増員が果たされているのも注目される。やはり行政分野で多少傾向が違うのだろうか。

 

労働基準監督官数の推移

前回のエントリーで監督官の範囲について整理(?)をした。

 

kynari.hatenablog.com

 

今回は、実際に監督官の数が歴史的にどのように推移してきたのかを見ていきたい。ただ前回の投稿から窺えるように、細かい範囲分けをするのは骨が折れる(というより、データが入らない部分も多い)。

そこで『監督年報』を主に参照して、定員の推移を大まかに見るにとどめておく。

 

資料の制約

はじめに資料的な制約について述べておく。監督官の定員数については『監督年報』に記載されており、多くの先行研究もこの数字を基にしている。

しかし『監督年報』の資料のみだと、とくに長期的に眺める場合にはデータが途切れてしまう箇所がある。他の資料で補える部分については、可能な限り補完したいが、そうでない部分もあるので先にこの点に言及しておこう。

 

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○は『監督年報』に記載あり。

①『労働行政要覧』に記載。

②1973~86の職員は『労働基準行政主要指標』から捕捉可能。ただし地方は局署の合計のみ。局署の内訳は『所管業務概況』や全労働省労働組合の『定期大会議案関連資料』から一部拾える。

③2000,01年に関しては『労働行政要覧』に記載。なお地方局については労働基準局が労働局に改組されたため、基準行政のみの人数は不明。2000年の『労働行政要覧』は都道府県労働局総務部および労働基準部の定員を計上している。

④1997年以降の労働基準監督署定員は、規制改革推進会議「労働基準監督業務の民間活用タスクフォース」厚労省提出資料より。

 

「職員」は監督官だけでなく、技官や事務官を含んだ労働基準行政全体の職員を指す。「監督署勤務」は、そのうち労働基準監督署に勤務する者の数(本省や都道府県労働基準局に勤務する者を除いた数)である。また「会計別」とあるのは予算定員の内訳(一般会計か特別会計か)が分かるかどうかを示している。

区分が多いため見づらいが、労働基準監督制度発足以後、現在まで一貫して数字を把握できるのは、労働基準監督官の全体数のみである。その他のデータはどこかで断絶があるため、その推移を完全に把握することはできない。

 

定員の推移

実際に定員の推移を追ってみよう。

まず労働基準行政の職員全体数の推移である。

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本省と労働基準局については2000年以降その定員数が明らかにされていない*1

労働基準監督機関のなかで、労働者にとって最も身近な存在は労働基準監督署であるが、その職員数は5千人近辺で推移している。全職員の6割ほどが監督署の勤務である。

最大の変化は1950年代に生じている。行政定員の削減が強く実施された時期であり、その後の定員化要求を受けて再び増加した。この辺りの定員外の職員の動向についても観察する必要があるが、やや長くなるため別稿に譲る。

 

次に基準行政の職員数と監督官数の関係を見よう。

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この図は労働基準行政職員全体の数の推移と、そのうちの労働基準監督官数を示したものである。前述したとおり、職員の全体数は1999年までしか判明しない。「職員比」とあるのは監督官が職員のうち何%を占めているか(右軸)を表している。1956年のみ人数が凹んでおり、誤植の可能性がある。

 

一見して明らかなことは、職員全体の変動と監督官数の推移が異なっていることだろう。50年代前半の行政削減の影響が監督官にはあまり見られない。そして職員数が60年代以降減少もしくは横ばいであるのに比べ、監督官は漸増状態にある。その結果、職員に占める監督官の割合は増加した。70年頃までその比率は3割程度であったが、1999年には4割を超えている。

 

監督署に限定すると

上記の定員数は労働基準行政全体のものであったので、次は第一線機関である労働基準監督署に絞ろう。

次図がそれである。前回のエントリーで述べたように、日常的に監督業務を担うのは一般会計所属の監督官とされていたので、会計別の内訳が分かるものについては図示してある。

会計別の内訳が把握できるのは1990年までである。また1956~61年は監督署に勤務する監督官の数が分からない。グラフでは判明しない期間についても線をつないである。

 

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労働基準行政全体のグラフよりも、その特徴が明瞭に表れているのが読み取れる。監督官の定員については曲がりなりにも一貫して増員されてきたのに対し、職員の全体数は徐々に数を減らしている。2000年代半ばに増加に転じ、下げ止まりに入った。

 

監督署の職員のうち監督官が占める割合は、60年代半ばまで3割ほどであった。したがってこの時期までは、監督署の職員構成と労働基準行政全体の職員構成に大きな違いはなかったと考えられる。しかし監督署所属の監督官の定員はその後増員され続けたため、2016年現在では監督署職員の3分の2が監督官という比率にまで達した。

職員の構成比がこのような変化になったのは、監督官の増員が専ら監督署に割り当てられていたためである。1962年から2015年にかけての監督官の定員の変化を見ると、(厚生)労働省所属が36→40、都道府県労働(基準)局所属が743→710なのに対し、監督署の監督官は1,619→3,219となっている。

 

雇用者数の変化と比較すると

これはあくまで絶対数の変化であり、行政需要との関係のほうが重要であろう。すなわち雇用者数の変化に比べた職員数・監督官数の変化である。

 

それが下の2つのグラフになる*2。雇用者数は『労働力調査』から取り、単位は「万人」である。監督官は監督署に勤務する者に絞った。

ILOは先進国における監督官数の目安を、雇用者1万人あたり1人としている。開発途上の国のほうが高い基準となっているから、経済発展につれて労働市場のルールの整備が進み、必要な監督官の数が減るという認識なのだろう。

 

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日本の公務員の数が少ないことは前田健太郎[2014]『市民を雇わない国家』東京大学出版会で論証されている。この本の中で前田は日本が公務員の少ない国になったプロセスに着目している。日本はもともと公務員の数が少なかったわけではなく、むしろ経済水準に比して公務員の多い国だった。しかし諸外国が福祉国家化により行政需要が増大し公務員の数を増やしていったのに対して、日本は早い段階で公務員数を抑制したという。

 

 

 

相対的な差はあるだろうが、労働基準行政の職員数についても当書の内容は妥当するのではないかと思われる*3

前田は行政需要の増大を示す際、人口や一人当たりGDPなどの経済指標を用いているが、ここでは雇用者数を用いている。監督官が対象とするのは雇用労働者であるためである。農業人口の割合が減少下にある場合、雇用労働者の数は人口の増加以上に増大するはずである。

 

雇用者1万人あたりの職員数は徐々に数値を下げているが、これは雇用者数の増加の反転写像である。監督署の監督官は定員が増えているとはいえ、雇用者数も増加しているため、1万人あたりの比率にそれほど大きな変化はない。

 

職員と監督官の違い

興味深いのは職員全体の動向と、監督官のそれが異なる動きを示していることだろう。

 

労働行政職員の組合である全労働省労働組合は別として、一般に労働運動は監督行政を重視してきたわけではない。これは当然と言えば当然の話ではある。組合のある職場では団体交渉によって法違反を是正させることができる。監督官が対象としてきたのは、そうした組合に守られていない労働者だ。

労働運動が監督署と関わりを持つのは労災認定を巡る闘争であろう。労災認定を行なうのは監督署であるので、職業病や過労死問題を扱う場合には、監督署と関わらざるを得ない。

ただしその場合の矛先は、労災認定基準に関するものだろうし、その審査は監督官というよりは事務官の仕事だ。そのためこの手の運動が、監督官の増員要求に直接的に結び付くことはあまりなかったであろうと推測される。

 

職員数と監督官数の動向の差異は、制度的な要因に起因するものかもしれない。

労働基準監督官はその独立性を担保する観点から身分保障がなされている。監督官を罷免するためには労働基準監督官分限審議会の同意を必要とすることが、労働基準法に定められている。

このような監督官という職務の特殊性が、定員の推移の差異を生じせしめたのかもしれない。もちろん、基準行政の中核が監督業務にあるという認識が共有されていたには違いない。しかし毎年の定員査定の場において、そうした特殊な性格が有した意味合いは大きいのではないだろうか。

 

このテーマは他の行政分野との比較してみたい内容である。たとえば国税専門官などでも似たような傾向にあるのかなど。

国家公務員と地方公務員の違いもあろう。警察白書によると、1974年の警察に勤務する職員は合計約22万5,500人。国の機関に勤務する者は約7,700人で、都道府県警察に勤務する者は約21万7,800人(うち警察官は約19万800人)だった。2016年の定員は合計が29万5,664人、警察庁が7,797人で、都道府県警察が28万7,867人(うち警察官25万9,503人)である。国家公務員である警察庁の職員が横ばいなのに対して、都道府県警察では増加している。

都道府県警察は団体委任事務であるが、「中央省庁では1960年代に総定員法が制定されるなど積極的な行政改革が行われる一方で、政府の業務自体は増大したため、そのギャップを埋めるべく地方自治体への機関委任事務制度による業務の委任が行われた」というのと似た状況にあるのかもしれない。

 

 

*1:労働基準局は労働局に改組した。労働局の人員のうち労働基準行政に携わる人数は不明である。

*2:データが連続している範囲を図示しているため2つのグラフは期間が異なることに注意。

*3:なお、監督署の職員は国家公務員である。

『屍人荘の殺人』感想(ネタバレなし)

話題になっているミステリ小説、『屍人荘の殺人』を読んでみた。

なるほど、面白い。ネタバレせずに面白さを伝えるのは難しいが、一言で表すなら「人外の面白さ」って言いたい。

 

本格ミステリと言われたら違和感を持つ人もいるかもしれない。でも、ある意味それこそが、度肝を抜く、常識破りの作品の証でもある。

あるいはこれまでのミステリに喧嘩を売るようか感さえある。作者がミステリを読んできて感じてきた違和感を打破しようという意図があるように思える。それはこれまでのミステリ小説をレビューしたうえで、自分はその上を行くと素知らぬ顔で宣言された気分だ。

 

単に謎解きのみに主眼があるわけではなくて、しっかりと人間ドラマの要素を含んでいるのが心憎い。登場人物の名前が覚えやすいように語呂合わせになっていて、人間味はおざなりな描写になっているかと最初は思ったが、物語のラストはその予想を良い意味で裏切ってくれた。その意味でも意表を突かれた本だった。

 

自分は普段ミステリを読まないが、それでも凄く楽しめた。読んでみて損はない1冊だと思う。

 

屍人荘の殺人

屍人荘の殺人

 

 

 

労働基準監督官の人数を巡る混乱

労働基準監督官は何人いるのか

労働基準監督制度について調べていると、ほぼ必ずと言ってよいほど、監督官の人手不足の話が出てくる。国際的に見て、あるいは全国の事業場数と比べて、監督官の数が足りていないという。

では、どれくらい人が足りていないのか。その話をするには監督官の人数が現在何人なのかを知るのが前提となる。しかし人数を巡る言説を見ていくと、意外とこの点が混乱しているようなので(私が混乱しているだけかもしれないが)、以下整理しておきたい。

 

4千人か3千人か

労働基準監督官は全国で4千人弱である。これは厚生労働省が毎年出している『労働基準監督年報』(以下『監督年報』と表記する)に記載されている数字で、2015年度は3,969人となっている。

ところが新聞報道などでは監督官は3千人と報じられることが多い。

 

先ごろ、監督官OBを雇用して監督体制を強化するとの報道が日経新聞朝日新聞でなされた。記事内で監督官について説明しているが、労働基準監督官の数は両記事とも「約3千人」としている。

 

日経新聞(2018年1月10日)*1

 ▼労働基準監督官 「司法警察官」として強制捜査権を持つ厚生労働省の専門職員。労働基準法などが定める基準を事業主に守らせるのが役目で、残業代の未払いや工場・建設現場の安全対策など扱う労働問題は多岐にわたる。2017年度の定員は約3000人で、各都道府県の労働局や労働基準監督署などに勤務している。

 朝日新聞(2018年1月11日)*2

監督官は厚労省の専門職員で、全国の労働基準監督署などに約3千人いる。

 

4千人弱と約3千人とでは大きく違う。どちらかが誤りなのだろうか。

 

どこまでを「監督官」としてカウントするか

結論を先取りする形で述べると、「監督官」の範囲をどのように設定するかで人数が変わってくる。このあたりの前提が実はあまり共有されていないのではないかと思われる。

 

監督官の数に相違があるのは、監督官全体の人数と、そのうち実際に監督業務に従事する人数が異なるためである。

 

まず組織面から見よう。

監督制度は、中央の厚生労働省都道府県ごとの労働局、そしてその下に設置されている労働基準監督署という3層の組織からなる。このうち第一線機関として現場に最も近いのが労働基準監督署で、全国で321署(プラス4支署)ある。

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もちろん労働基準行政を担うのは監督官のみではない。監督業務に従事するのは監督官だが、そのほかにも労働安全衛生業務に従事する技官、労災補償業務に従事する事務官などの職員がいる。

傾向としては、全体の職員数が減らされている一方で、監督官については増員が続いている。とくに近年は「新人事制度」が始まったことにより、技官・事務官の採用をやめ、その仕事に監督官を登用するようになった。したがって監督官の数は増えていても、労働行政全体としては拡充されているとは言えず、その点が批判されている。

 

閑話休題

監督官は中央レベルの厚生労働省都道府県レベルの労働局にも勤務している。だが職場に立ち入って監督指導を行うのは、基本的に監督署である。したがって「監督官」の人数としては、監督署に勤務している監督官の数が、より実態に近いと言えるだろう。

2015年の『監督年報』によれば、監督官の定員は本省勤務が40人、都道府県労働局が710人、労働基準監督署勤務が3,219人となっている。新聞報道等で報じられる数字は、「監督署に勤務する監督官」の数を基にしているのだろう。

この点から言うと新聞の表現はやや誤解を招く。「2017年度の定員は約3000人で、各都道府県の労働局や労働基準監督署などに勤務(日経新聞)」という表現は、前半と後半で意味が食い違っている。監督官が労働局にも勤務しているのは間違っていないが、約3千人の定員というのは労働局の定員を除いた数である。これはミスリーディングな書き方と言えるだろう。

 

より狭義の「監督官」

話がこれで済めば良いのだが、監督官の数について述べる言説の中には、さらに狭義の監督官が登場する。すなわち「監督署に勤務している監督官」のうち、「日常的に監督業務に従事している監督官」の数はもっと少ないというわけである。

たとえば、監督署の署長は監督官が就くことになっているし、安全衛生や労災補償の業務に就く監督官も存在する。こういった監督官は監督業務以外の仕事をこなすことが多く、「日常的に監督業務に従事している監督官」からは除かれる。

 

具体的に発言を見てみよう。

労働省労働組合中央執行委員長である森崎[2015]は次のように述べている*3

監督官の数は、平成21年度の数字ですが2941人です。内訳は本省に23人、労働局に444人、監督署に2474人。/本省と労働局の監督官は基本的に臨検監督に従事していない。さらに監督署の2474人の中には管理職員のほか、安全衛生、労災補償の業務に専ら従事していたり、新任研修中の職員も含まれるので日常的に臨検監督に従事している職員は、私の推計では全国で1500人くらいではないかと思います。

 

雑誌『POSSE』での座談会においても、現役の監督官が匿名で次のように述べる*4

組織としては47の都道府県労働局と325の監督署を持ち、監督官の人数は3千人ほどです。ただし、その中でも労災補償、安全衛生、適用徴収や総務等の部門に就いている監督官も相当数いますので、実際に日常的に監督業務を行っているのはそのうちの半分程度、1500人ほどになります。

 

以上の発言を参照すれば、日常的に監督業務を担っているのは1,500人ほどということらしい。管理職やその他の業務に就く監督官の数は正確には分からないようで、概算の数字となっている。

 

数字の出所はどこか

さて、重要なのは数字の出所である。

森崎は全体の監督官の人数を2,941人としており、うち監督署所属は2,474人である。『監督年報』では全体で4千人弱、監督署の監督官は約3千人だった。平成21(2009)年の監督署の監督官数は3,104人である。2,474人と3,104人では2割以上数字が違う。これはどのように解したらよいだろうか。

 

森崎[2015]の示す数字は、省内事業仕分けで提出された資料と同じものだ*5。労働基準監督業務は2010年に省内事業仕分けの対象として議論されており、監督業務の説明資料のなかで「監督業務人員」の数が示されている*6。「監督業務人員」が監督官とどう異なるのかは具体的には説明されていない。この省内事業仕分けの資料を作成する際の元となったデータがあるはずだが詳しくは分からない。厚生労働省に問い合わせたところ、原資料は残っていないとのことだった。

 

2通りの解釈

森崎あるいは省内事業仕分けの数字と、『監督年報』の数字はどうして異なっているのか。

 

さしあたり2つの可能性がある。ひとつは『監督年報』の数字は定員であり、省内事業仕分けの資料は現員を示しているということ。もうひとつは、省内事業仕分けの数字はすでに安全衛生や労災補償業務に就く監督官の数を除いた数字なのではないかということだ*7

 

前者の解釈も十分ありうるが、本当にそんな現状なのだろうか。その場合、定員の2割が未充足ということになってしまう。しかしそのような定員割れが生じているのであれば、もっと問題化しているはずだ。監督官の人手不足を嘆く声は多々あるのに、監督官が定員に達していないという話は聞かない。もし監督官を増員したいのであれば、まず「定員を充足しろ」と訴えたほうが訴求力がありそうなものだ。そうなると前者の解釈はちょっと不自然だ。

 

ならば後者の解釈を採るべきか。しかし数字の出所がはっきりしないとやはり断定はしがたい。

 

規制改革会議での議論

ヒントとなるのは規制改革推進会議での議論だ。昨年(2017年)、監督官の人手不足を背景に、労働基準監督業務の民間活用タスクフォースが設置された。その議論の場で労働基準監督官の人数についても取り上げられている。

 

2010年の省内事業仕分けでの資料と違い、この議論では『監督年報』の数字を監督官の数として引用している。興味深いのはその説明である。

委員の一人である八代氏が、引用されている数字は安全衛生等の業務に就く監督官の数を含んでいて、実際に臨検監督に赴く監督官の数はもっと少ないのではないか、と質問しているのだ。

 

以下はその質問に対する回答である。

○土屋大臣官房審議官

これは労災業務とか安全衛生の業務にはかかわらない、監督業務そのものにかかわっている監督官の数でございます。労災とか安全衛生については、そういう意味では3,241人[引用者注―2016年度の人数]とは別の定員の中で対応している状況でございます。

ただ、今、状況としてあるのは、・・・(略)・・・労働基準行政全体としての質の向上を図るという観点も含めて、・・・(略)・・・監督官という試験で合格をして、その立場を持っている方が労災保険の業務をやるし、安全衛生の業務をやるということでやってきているところがございますので、八代主査がおっしゃられたことは、そのことのお話ではないかと思いますが、ただ、先ほど来申し上げておりますように、3,241という数字は監督業務に専念をしている監督官の方の数でございます。

 

引用中の3,241人という数字は、監督署に所属する監督官の数である。そしてこの数字は確かに管理職の数字を含んではいる。しかしそれは「プレイングマネージャー」であって、監督業務を行っているし、安全衛生や労災補償業務の従事するのは別にいるとはっきり明言している。

国側の説明なので留保は必要かもしれないが、この説明に従えば『監督年報』に記載されている監督官の数は、「監督業務に専念している監督官」の数である。

 

資格と業務の混同か

では前述の森崎[2015]の意味はなんだったのだろう。

それは、監督業務以外の業務についている職員についても監督官とカウントできるために生ずる誤解ではないだろうか。

 

監督官は労働基準監督官試験を経て採用される。しかし「新人事制度」などに見られるように、監督官試験によって採用されても実際には労災補償などの業務に就く職員も存在する。この職員は監督官試験に合格しているのだから、監督官になれる資格を有していると言える。ただし従事している仕事は監督業務ではない。

「資格の意味での監督官」「業務の意味での監督官」では前者のほうが人数が多くなる。後者になるためには前者であることが必要条件だからだ。

規制改革会議での説明によれば『監督年報』の数字は後者を指す。一方で「実際に日常的に監督業務を行っているのはそのうちの半分程度」と言うときの監督官とは前者を念頭に置いているのではないだろうか。

以上は筆者の憶測に過ぎない。政府側が誤認識をしている可能性もある。

 

既往研究では

とはいえ、ひとまず『監督年報』の数字は「監督業務に専念している監督官」の数だと想定しよう。

 

では『監督年報』と省内事業仕分けの資料の数字の差はなにを表しているのか。

 

直接の手掛かりがないので、類推して迫ってみよう。

これまでにも既往の研究において、実際に現場で監督にあたる監督官の数は公表されている数字よりも少ないのではないかとの指摘は、たびたびなされてきた。

それは特別会計による定員の分を除いたり、役付の監督官を除外したりといったものだった。古い研究になるが、紹介しておこう。

小椋[1967]は、

実際に監督業務にたずさわる労働基準監督署所属の監督官は定員の半数以下(昭和40年は1,178人)で、その全員が監督業務を行なっているものではないというから、実情のほどがうかがわれよう。

と述べている*8この「1,178人」は監督署に所属する監督官のうち、一般会計予算による定員である(特別会計は578人)。定員の半数以下と書いているのは、本省や労働基準局も合わせた定員が一般会計・特別会計合計で2,598人であるからである。

 

また春山[1979]では次のように記している*9

本年4月現在では、地方局署の一般会計所属(労災保険特別会計所属をべつにして)監督官で、地方労基局所属と署長を除いたいわゆる第一線監督官1226名が、一人当たり2539事業場、約3万人の労働者の最低労働条件確保監視の任務をもたされている(特別会計所属監督官も一部監督にあたるが、一般会計監督官の非監督業務と相殺)。

署長の数を除いているので、春山の言う「第一線監督官」は小椋の数字よりさらに限定された定義である。

『監督年報』によれば、当時の一般会計所属の監督署監督官の定員は1574人となっている。春山の挙げる1,226人というのは、それより348人少ない。348という数字は当時の労働基準監督署の数である。

 

署長を除くのは、管理業務等が含まれるので監督に専念しないからであろう。

元監督官の井上[1979]も「役付きの洪水」に苦言を呈している*10

某大都市の某署の1951年5月16日現在の職員巣は36名であったが、その中の役付きは署長1のほかは課長4の合計5名であった。すなわち身軽な平職員は31名であり、そのなかには監督官11名が含まれていた。ところが本年4月1日現在の同署の状況をみると、職員総数が40名のうち署長1、次長1、課長同格の方面主任監督官4、課長3、係長5、係長同格の専門官など9の合計23名の役付き職員がいることになっている。平職員は半分以下のわずか17名である。もっとも自由に活動できるはずの平監督官は51年当時の11名からわずか4名に激減している。つまり役付きの洪水である。

平職員が31名(うち監督官11名)だったのが、1979年には平職員が17名(うち監督官4名)になってしまったという。

 

『監督年報』には職階ごとの職員数は記載されていないが、『所管業務概況』という資料からそれを拾うことができる*11。1982年度の職名別の定員を見ると、監督官は全3,202人、うち一般会計は2065人、監督署に勤務する一般会計監督官は1597人である。署長、課長、係長、専門官などを除き、「労働基準監督官」としてだけ示されている一般会計監督官の数字を見ると、894人である。これが一般会計の監督署所属の平の監督官の数ということになる。全体の監督官定員の3割に満たない。

 

監督実施監督官数

さらに資料を遡ると、1955年までの『監督年報』では「監督官現員数」「監督実施監督官数」のデータを拾うことができる。

現員数は定員数に及ばないがその差は数%である。

一方で、監督実施監督官数は現員数の半分程度である。これは「特別会計所属の監督官(労災保険業務を担当する)担当業務の性質上一般会計所属の監督官なみの監督実施が困難であり、また一般に役付の監督官も一般監督官なみに監督を行うことが若干制限をうけること等の事情による」と説明されている*12。また「特別会計の監督官及び休職中の監督官を除いた一般会計所属の監督官現員についてみると、約85%が毎月監督を実施している」とある*13

 

残念ながら現員数や監督実施監督官数はその後掲載されなくなった。会計別の監督官の定員についても『監督年報』で公表されているのは1990年までである。1990年は監督署勤務の監督官は一般会計1,524人、特別会計935人であり、4割弱が特別会計所属となっている。

 

まとめ

結論らしい結論が出ていないがまとめる。

 

現在の労働基準監督官の数について、2系統のデータが存在している。ひとつは『監督年報』、もうひとつは省内事業仕分けの資料(の原資料)である。前者は定員数であり、後者は「監督業務人員」と表記されている。数字は後者のほうが2~3割少ない。

昨年の規制改革会議では前者に依拠する資料が用いられた。その際、安全衛生等の業務を含まず、「監督業務に専念している」監督官の数だと説明された。

後者の数字は、前掲の森崎が引用しており、全労働省労働組合の『労働行政の現状』も同一ソースを元にしていると考えられる。『監督年報』の数字より少ない理由はいずれも説明していない。むしろ日常的に監督業務に従事している人員はさらにその半数程度だと説明している。

 

従来であれば会計別に人数が公表されていたので、それに基づいて議論がなされていたが、現在では公表されていないので推測の程度が強くなっている。1955年までのように「監督実施監督官数」が明らかにされていれば、もっと事態は明瞭であろう。

政府側の説明も、現場の監督官側の説明も、誤解を含んでいるか、正確な説明をしていないように思われる。

 

なお、監督官数の推移についても取り上げる予定だったが、長くなったのでそれについては別稿に譲りたい。

 

参考

井上浩[1979]「労働基準監督官と労基行政」『月刊労働問題』268号、pp.37-44

小椋利夫[1967]「監督行政」日本労働法学会編『新労働法講座』第8巻,pp.279-295

春山明[1979]「労働基準行政の役割と問題点」『月刊労働問題』268号、pp.30-36

森崎巌[2015]「労働基準行政の現状と課題」『月刊労働組合』2015年6月号

 

監督官および弁護士との対談記事

労基法はなぜ守られないか」『POSSE』vol.25、2014年、pp.27-42

 

労働省『労働基準監督年報』(最近5年分はHPに掲載

同『所管業務概況』 

 

省内事業仕分け

  http://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/past_index.html

規制改革推進会議「労働基準監督業務の民間活用タスクフォース」

  http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/meeting.html

*1:日本経済新聞2018年1月10日付朝刊 34面「労基監督官、OBを雇用、不足に対応、違法残業の監視強化、18年度から最大50人。」

*2:朝日新聞2018年1月11日付朝刊5面「OBを非常勤雇用 労働基準監督官、人手不足 厚労省

*3:『月刊労働組合』2015年6月号p.39

*4:POSSE』vol.25、2014年、p.28

*5:ただし平成21年度ではなく、22年度のものだが。これは森崎の引用ミスと考えられる

*6:第15回省内事業仕分けを参照

*7:この場合、前掲の森崎や監督官の発言は誤解を含んでいることになる

*8:日本労働法学会編『新労働法講座』第8巻、p.289

*9:『月刊労働問題』268号、p.32

*10:『月刊労働問題』268号、pp.42-3

*11:国立国会図書館に1973、75、76、79、80、81年発行の分が所蔵されている。

*12:『監督年報』1955年p.62

*13:同前