ぽんの日記

京都に住む大学院生です。研究とは関係ないことも気ままに書いていきます。twitter:のゆたの(@noyutano) https://twitter.com/noyutano

家業のために面接を蹴って駆け付けるのはイイ話なのか(陸王5話)

先日放送のドラマ『陸王』5話を見て感じたことです。

原作も未読ですので、細かい点が間違っているかもしれませんが悪しからず。

 

気になったのは、就活で大手企業の面接に向かっていたのに、電話でピンチを知って工場に戻ってくるシーン。老舗足袋メーカーの社長の息子(山崎賢人)の行動です。

彼は家業を手伝いながらも就活をしている最中。当初は足袋屋を継ぎたくないと考えていている一方、本当にやりたい仕事はなにか悩んでいる状態。

 

問題のシーンは、大手企業の面接に向かう途中で連絡を受け、面接を蹴って舞い戻ってくるというもの。機械のトラブルに対応できるのが彼ひとり(顧問についていた人が入院中のため)で、しかも納期が迫っているため、面接が終わるまで待てない状況。

それで面接に行かず、戻って対応に当たる。その結果として自分がやりたい仕事はこれなんだと気付く。

 

このシーンだけこんな風にまとめてしまうと変な感じですが、ドラマの中で盛り上がる部分でした。

ただ、個人的には少し違和感を覚えてしまう部分でもあって。

多分それは、職業選択の自由の問題と、「組織の部品になるな」という主旨の発言のところです。

 

家業を継ぎたくないと就活していたのに、そちらはあまりうまく行かず、最終的に家業の仕事をやっていこうと決める。もちろんそれは本人の納得のうえでですが、外から見ると納得させられているようにも見える。

そもそも家が足袋屋であるということは、面接の場などでも聞かれてしまいますし、そういう風に見られることは「職業選択の自由」にやはり制約として働いているでしょう。もちろん、完全に制約から自由な人間なんてそもそも存在しないでしょうから程度問題ですが。

 

それだけなら別に構わないと言えますが、より気になったのは面接に行く前夜に言われたセリフ。部品は替えが利く。本当に替えが利かないのは人。組織の部品になんかならず自分にしかできない仕事をしろ。そんな発言だったと思います。

 

で、実際自分にしかトラブルに対応できないというので戻ってくるわけですが、こういう「代えの利かない人物になれ」的なのは、どうも個人的には好きになれない。

仕事という面で見れば、圧倒的大部分の人間は代えが利くのが現実でしょう。そもそも本当に代えが利かなかったら、休むことができなくなってしまう。有休や育休なんて取れないし、辞める自由もない。

 

もともと就きたくないと思っていた仕事なのに、「この仕事はお前にしかできない」と言われ、自分が本当にやりたいのはこの仕事だと気付く。

もちろん、本人が納得している以上なんの問題もないのでしょうが、なんかちょっともやもやした気持ちが残る。