ブラック企業という言葉がアニメ『氷菓』に登場するよ、という小ネタ。
ブラック企業が実際に登場するというわけではなく、セリフとして出てくるわけでもない。「ブラック企業」という文字が映りこんでいる、と言えばいいか。
登場するのはアニメ第3話「事情ある古典部の末裔」
千反田が折木に喫茶店で頼み事をする場面。
客の一人が読んでいる神山民報?なる新聞に「ブラック企業の対応強化」の見出しが見える。
日付は5月20日(日)となっている。アニメ版の作中は2012年と思われ、実際に2012年の5月20日は日曜日だから、2012年5月ということでいいのだろう。(アニメ放送は2012年4月~)
原作小説ではこのような描写はない。コミカライズは読んでない。実写版も見てません。
白抜き横見出しになっている「邦人が行方不明」は、折木と千反田の会話に関連させてのことだろう。千反田の伯父が行方知れずとなってからもうすぐで7年になるという会話だ。
見出し以外の文字が読めないので、それ以上は解らない。ブラック企業はもともと暴力団などのフロント企業を指す隠語でもあったから、もしかしたらそっちに近い意味で用いているのかもしれない。
今ではブラック企業という言葉を聞くのも当たり前となったが(当たり前というのもヤな話だが)、2012年春の放送当時はまだそれほど一般的な言葉ではなかったように思う。
「ブラック企業」がユーキャンの新語・流行語トップ10に入ったのは2013年。国会の質疑で「ブラック企業」という言葉が登場したのも2013年の3月のことだった。自民党が同年の参院選の選挙公約からブラック企業対策を削除するという一幕もあった(自民党がマニフェストから『ブラック企業対策』を削除したと話題に | 秒刊SUNDAY)。
同じ2013年9月には厚生労働省が「若者の使い捨て」が疑われる企業への重点監督指導を始めることとなった。
その意味では、この段階で「ブラック企業の対応強化」というのは割と先んじている。
ドラマ・映画等で早い例は小池徹平主演の『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』がある。
『ブラック・プレジデント』というドラマもあったな。このころにはすでにブラック企業が人口に膾炙していたはず。