ぽんの日記

京都に住む大学院生です。twitter:のゆたの(@noyutano) https://twitter.com/noyutano

政策・行政

家内労働監督

家内労働監督件数の推移です。 家内労働法も労働基準監督官が管轄するので、その実施状況が「労働基準監督年報」に記載されています。 通常の定期監督と家内労働監督は別建てで集計されています。

東京新聞 労災担当官削減の報道について

いくらかの憤懣とやるせなさを込めて書く。 東京新聞の報道についてだ。 この図が報道を要約している。 この配置換えに対しては、労災業務の人員、あるいは監督業務と労災業務の合計人員が減ることに批判が出ている。 しかし私が嘆息したのはそこではない。…

生活保護「水際作戦」の定量化

生活保護を受けようと福祉事務所の窓口に行ったのに、申請させてもらえず門前払いされる。こういうのは「水際作戦」と呼ばれます。 この水際作戦をデータで可視化できるか、というのが今日の話題。

非常災害時の時間外労働

普通、法定労働時間を超えて働かせるためには36協定の締結が必要となります。 しかし災害等の緊急の場合には、残業や休日労働が必要になっても36協定を結ぶヒマがないこともあるでしょう。そこで労基法33条では、そのような場合に限って時間外労働を命令でき…

解雇制限・解雇予告除外認定

解雇事案は労働契約法とか個別労働紛争の範疇となるのが主かと思いますが、労基法の中では19条と20条に解雇制限、解雇予告手当の規定があります。

過労死・過労自死の認定件数の推移

「過労死等の労災補償状況」が公表されたようです。 平成29年度「過労死等の労災補償状況」を公表します 過去の分についてはこちらから。 大阪過労死問題連絡会のページでは、さらにそれ以前から遡って件数がまとめられています。 ちなみに労働基準監督年報…

労働時間規制の適用除外

労働基準法では1週40時間、1日8時間の法定労働時間の規制のほか、休憩や休日についても規定がありますが、41条でこの規制が適用除外となる対象が定められています。 この記事では管理監督者と監視断続的労働従事者について、ざっくり規模感を眺めてみたいと…

割増賃金違反の内訳

当ブログでは労働基準監督年報を使って法違反率を見るということをやっていました。 ただ、たとえば労基法32・40条の法定労働時間の違反について、それがどんな違反なのか*1は集計されていないので実態がわからないというようなことを書きました。 (違反状…

技能実習の監督指導状況

外国人実習生の報道がありましたので、簡単にグラフを作ってみようかと思いまして。 www.asahi.com 実習生の監督状況については、以下の厚労省のページにプレスリリースが載っています。 最近における外国人技能実習生の労働条件確保のための監督指導及び送…

司法処理基準

前回書いたサービス残業は送検されやすいかという記事の関連で、司法処理基準について。「重大・悪質な事案」については送検するということになっていますが、なにをもって「重大・悪質」だとするのか。 どういった事案が司法処理されるか(=送検されるか)…

サービス残業は送検されやすいか

監督官による送検 送検状況 送検率を見るうえで 送検率の推移 監督官による送検 労働基準監督官は特別司法警察職員としての職務を行うこともできます。警察と同じように、令状を取って強制捜査や逮捕を行うことができるのです。この刑事訴訟法上の職務は、労…

働き方改革実行計画

2017年3月28日に働き方改革実現会議で決定された「働き方改革実行計画」。 その中には高プロは入っていない。 掲げられているのは ①非正規雇用の処遇改善 ・同一労働同一賃金の実効性を確保する法制度とガイドラインの整備 ・非正規雇用労働者の正社員化など…

1075万円

高プロの年収要件として「1075万円」という数字が流布してます。法律案にこの数字が書き込まれているわけではないので、実際に1075万円になるかは不明です。 どう計算? 1,075万の出自 捕捉

労働時間等総合実態調査と監督官の調査権限

厚労省が実施した「労働時間等総合実態調査」の杜撰さが取り上げられてますね。 d.hatena.ne.jp そもそもこれを「調査」と呼んで良いのだろうかというのが疑問。もちろん「労働時間等総合実態調査」として報告されているわけだけれども、もとは「調査的監督…

厚労省に情報公開請求をしてみた話

情報開示請求という手続きがありますよね。行政機関が保有している文書などの公開を求めるやつ。 各省庁に対する情報開示請求はオンライン上で行うことも可能なんですね。私は地方自治体に対しては、窓口まで直接行って請求したことはあるのですけれど、電子…

定期自主検査ほか

労働安全衛生法の違反率ということでいくつか記事を書いてきましたが、残りの主だったものはまとめてということで。

賃金不払の違反率

監督行政による定期監督で発覚した法違反の違反率の推移を当ブログで紹介してきましたが、今回は賃金不払い。

健康診断有所見率の推移

健康診断違反率の推移という記事を書いたので、そのついでということで。 定期健康診断結果の有所見率の推移をグラフ化してみました。

健康診断違反率の推移

労働安全衛生法の違反率 - ぽんの日記の記事の続きです。 労働安全衛生法(安衛法)66条は定期健康診断の義務を規定しています。 例によって定期監督での違反状況の推移を見ると次のグラフのようになります*1。 *1:1976、77年については有機溶剤中毒予防規則…

実態に基づいた労働法の議論のために

昨日、「違反状況が不明になっている労基法の条文」という記事を書きました。 この記事を書いた理由を記しておきたいと思います。 労働基準監督年報とは 改善してほしい点(形式面) 改善してほしい点(内容面) 最低賃金審議会での参考資料

違反状況が不明になっている労基法の条文

厚生労働省が毎年発行している「労働基準監督年報」という年次報告書では、全国の労働基準監督署の監督結果を集計されており、労基法等の違反事業場数を知ることができます。 しかし前回のエントリーの中で産業医の選任義務違反の件数について、年報には記載…

安全衛生管理体制

前回の記事の続きです。 労働安全衛生法(安衛法)には、安全衛生管理組織や調査審議機関を設ける規定があります。

労働安全衛生法の違反率

「労働基準監督年報」の数字から、定期監督の違反率の推移を見るということをやっています。これまでは労働時間と労働条件明示義務に関して書きました。 労働時間の違反率の推移 - ぽんの日記 求人詐欺・求人トラブルの今昔――労働条件明示義務違反 - ぽんの…

企業名公表は送検よりハードルが高い?

送検の少なさ 労基法の実効性を確保する手段として、従来用いられてきたのが行政指導(指導や是正勧告)と刑罰(送検)。 ただ行政指導の場合には柔軟ではあるが強制力がない。指導に従うかどうかはあくまで任意。一方、送検という手段を取った場合は、起訴…

「かとく」案件

「かとく」の設置 2015年4月、複数の労働局にまたがる過重労働に係る事案等に対応する特別チーム「過重労働撲滅特別対策班」を東京労働局と大阪労働局に設置されました。これが通称「かとく」と呼ばれます。 そして2016年4月には本省に「過重労働撲滅特別対…

労基署の手抜き監督――チョロ監とキョロ監

少し前になりますが、求人詐欺・求人トラブルの今昔――労働条件明示義務違反というエントリーを書きました。このときは労基法15条(労働条件の明示義務)違反の推移について書きました。 ところで15条違反については、原[2017]に「ノルマ達成のためだけの監督…

東京労働局による過労死等発生事業場への監督

東京労働局は、過労死を出した事業場への監督結果を報道発表しているようですね。 過労死等を発生させた事業場への監督指導結果(平成27年度)を公表します | 東京労働局 東京都内において、「過労死・過労自殺など過重労働による健康障害を発生させたとして…

2016年版『労働基準監督年報』比較

労働基準監督年報の最新版(2016年)がアップされました。 年度末(3月末)に前年度のものを公表することが続いているようなので、2年前の気がしますが、2016年版が最新年となります。 労働基準監督年報|厚生労働省 ただ、行政運営方針は年度ごとに策定され…

野村不動産の「特別指導」の件 覚書

「特別指導」と現行の公表制度 野村不動産の件は企業名公表制度とはそもそも別案件ではないかという話。 現行の公表の枠組みはこれ。 違法な長時間労働や過労死等が複数の事業場で認められた企業の経営トップに対する都道府県労働局長等による指導の実施及び…

「是正勧告してあげても」が威圧発言になる不思議

今年3月30日に行われた勝田東京労働局長と記者のやりとり(一部抜粋) 是正勧告したというのが、黒塗りになっているのはおかしいということですね。 鈴木部長「おかしいかどうかは分からない」 「通常は、是正勧告しても言えないです」 ――中身については、あ…