労働
前回の記事で、人身事故に至るような事案では、警察は労働安全衛生法ではなく、業務上過失致死傷の容疑で捜査をすることが多いと書きました。 その続きです。 kynari.hatenablog.com
これまでこのブログでは、労働基準監督機関の動向のデータを紹介することが多かったところです。しかし労働基準法や労働安全衛生法の取り締まりを行い、違反した企業を送検するというのは、労働基準監督官の仕事に限りません。 そういうわけで今回は警察と監…
このブログではこれまで何度か、労働基準監督行政による送検のグラフを載せたことがあります。 送検処分は監督行政における最終手段だとも言えますが、残念ながら起訴率は低迷しています。とくに労働安全衛生法と比べると、労働基準法の不起訴は非常に多くな…
「労働者災害補償保険事業年報」(以下「労災保険年報」とする)に発生年度別の保険給付支払状況という表が載っている。 以前にも若干当ブログで取り上げたが、改めて検討する。ただ、決して謎が明らかになったとかではない。
グーグルマップを使って、アスベストの労災認定等事業場をプロットしてみる。
タイトルそのままですが、都道府県別に労働災害の発生率がどの程度違うかを簡単に見てみました。 使用したのは死傷災害発生件数(休業4日以上)と労災保険新規受給者数です。これらについては以前に書いた下の記事を参照してください。 業務上疾病と死亡 - …
労働時間関係の政府統計について、地域別の集計状況メモ
内容的には以前書いた記事と関係する部分です。 大企業ほど非正規が多い? - ぽんの日記 正社員が減ったわけではないけれど…… - ぽんの日記 本当はもう少し調べてから、まとめてから書くべきかとも思ったのですが、このブログ自体覚え書きの意味も兼ねていた…
もう少しかかる。その話はしない。 労災保険の話でもしておく。
最新版の『労働基準監督年報』がいまだ公開されていません。 ここで言っている最新版とは、平成29年版のことです。厚労省のページだと、執筆時現在、平成28年版までしか載っていません。 www.mhlw.go.jp もちろん、現在がすでに令和の世になっていることは私…
前著にあたる『労働法政策』が2004年。そこから『日本の労働法政策』まで14年経過しているわけだが、ページ数は520頁から1074頁と倍増しており、単に前著以降の動向を加えただけではないことが、その分厚さからわかる。しかし定価は安くなっている。 日本の…
以前、労基署への申告について取り上げたときは、「申告権」の話はしませんでした。申告権まで取り上げると、記事がかなり長くなってしまうと思ったからでした。*1 kynari.hatenablog.com *1:ウソ。ホントは書くのが面倒くさかった
なぜだか知らないが、男性労働者は「育児時間」を取得することができない。男は育児をしない、というのは時代錯誤な考え方だと思うけれども、改正されないまま残っているということか。 ここでいう「育児時間」とは、労働基準法第67条のことだ。1歳未満の子…
職場で法令違反があっても、それに対して声を上げる人はごく一部に過ぎません。そう思うと同時に、声を上げたとしても、それが必ずしも届くべきところには届いていないのでは、という疑念も強く抱いています。 労働トラブルの相談先は労基署に限りませんし、…
国立大学法人に対しては情報開示請求を行うことができます(独立行政法人等情報公開法)。 それで、某国立大学法人が労基署から受けた是正勧告書・指導票を今回開示請求してみたのでした。
『厚生(労働)白書』を読む という本に向こうを張り、勝手に「労働基準監督年報を読む」的なものを書こうかと思ったけれど、まあ頓挫してます。 単純な事実として、近年の年報は「読む」部分が少なくなっているというのがありまして、現在までの通史として…
年次有給休暇。 非正社員の年休取得率は?/シフト制のバイトだけど年休を請求してみた話
情報公開の請求はオンラインできるようになったし、1メガバイト以内の文書なら、オンラインでの開示もできる。請求してから1か月ほどはかかるので、開示決定がでたときに、請求を思い出したりするんだけど。 www.mhlw.go.jp
年次有給休暇。 非正社員の年休取得率は?/シフト制のバイトだけど年休を請求してみた話
監督行政の地域差について。
1961年という半世紀以上前に書かれた本なので、隔世の感どころか、まるで様相が異なってしまっているようにも感じますが、こんな記述がありました。 学校で労働組合について習っていて、新卒者が労働組合のないところでは働かないと述べるというものです。
労基署は大企業よりも中小零細事業を積極的に監督すべきだという意見がある。後者のほうが労働条件が悪いし、労組の組織率も低いといった理由で。 もっとも最近だと、一罰百戒的な意味で大企業をターゲットにするという考え方も強くなっているかもしれない。…
第4章のところが一番面白かったな。そういう解釈・認識ができるのだなと。「優良企業」でなぜ過労死・過労自殺が? 「ブラック・アンド・ホワイト企業」としての日本企業 (シリーズ・現代経済学) [ 野村 正實 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴…
前回のエントリーで企業規模別の非正社員率を見ました。せっかくですから、この20年でどう変化したのかを見てみたいと思います。 kynari.hatenablog.com
藤田孝典氏の以下の記事を受けて。 news.yahoo.co.jp 少々細かい前置きを書いてしまったのであらかじめ要約っぽく書いておくと、 ・「宿泊業、飲食サービス業」「卸売業、小売業」は大企業ほど非正規雇用率が高い ・「不動産業、物品賃貸業」は5000人以上に…
前回のエントリーで、〈団塊の世代〉が戦後の日本社会に与えたインパクトを考えたいという話をしていました。今回はその続きです。 あまりまとまっていないところはあるのですけれど。 kynari.hatenablog.com 専業主婦の時代 就業人口 失業保険 保育所 義務…
個人的に気になった点を、断片的に記しておく。
昨日の日経新聞の「春秋」にて、TOKYO FMが行ったという仕事始めについての調査が紹介されていた。
前から少し気になっていて、でも調べないでいたことなんですが、このまま忘年してしまう前に、ブログに書き留めておきます。 社会保険や年休って、なんで実労働時間ではなく所定労働時間を基準にしているんだろうという話です。
神林龍[2017]『正規の世界・非正規の世界』慶應義塾大学出版会のなかの、とくに第8章「自営業はなぜ衰退したのか」についてです。 前回に引き続いての記事となります。 kynari.hatenablog.com